本とわたし
幼いころから、物語を読むことが好きでした。
絵本、児童書、小説・・・なぜか漫画はあまり自分から進んで読むことはなかったけれど、それでも記憶に残っているものはいくつかあります。
物心つくころから、ずっと漠然とした違和感を抱えていたことで、別の世界への憧れのようなものがあったのかもしれません。
ここでいう違和感というのが、発達障害による生きづらさだと認識できたのは、ほんの数年前。それまでは、なんでこんなにも苦しいのだろう、他の人には耐えられるのになんで私は耐えられないのだろう、と感じていました。
物語を読むことで、現実から目を背けていた部分もあるでしょう。現実逃避としての読書だったのかもしれません。
でも、本から得られるものもありました。
自分が見ているもの、感じているもの、それは、他の人と全く同じものではないということ。同じ事柄でも、いろんな見え方、感じ方があるのだということ。
その時その時の困りごとや悩みごと。同じような経験をしてきたであろう人たちが綴る物語に、励まされたり、癒されたりすること。
もし、そういう経験を積めなかったら、私はどんな人生を歩んでいたのだろうと考えることがあります。考えたって仕方のないことだけど、でも、思うんです。きっと、今よりももっと、辛く、悲しい人生を歩んでいたのだろうな・・・と。
小説は苦手、という人が周りには多いです。小説が、というよりも、分厚い本はダメとか、絵のない本がダメ、という人が多いという印象。
それがいけないこととは思わないし、そういう生き方ももちろんあっていいのだけれど。そういう考え方ができることも、本から、いろんな生き方があっていいと学ぶことができたからだと思っています。
今まで読んできた中で、一番印象に残っているものは、小説では森絵都さんの「カラフル」、恩田陸さんの「六番目の小夜子」、折原みとさんの「あの夏に」です。漫画では、「動物のお医者さん」と「ぼくの地球を守って」です。どれも、中学生の時に読みました。
「面白い」と一言で言えるようなものではないし、どちらかと言えば「考えさせられる」内容のものが多いです。多感な時期に、いじめだ、自殺だ、戦争だ、輪廻転生だ、獣医学部の日常だ、といろんな知識を頭に詰め込みましたが・・・たぶん、今の私の生き方や感じ方に大きな影響を与えてくれたものだと思います。
中学生から20歳頃までが一番つらい時期だったこともあり、私を救ってくれた本たちであると言い換えてもいいかもしれません。
今までも、これからも。
読書は私の生活に欠かせないものなのだろうな、と感じます。
拙い文章を最後まで読んでくれて、ありがとうございました。